綿菓子かんろ - クヴェールと貼箱 (2024)

作成日: 2025/02/02
更新日: 2025/02/03
アルバムの感想

はじめに

個人的2024年ベストアルバム。VTuberである綿菓子かんろさんの2枚目のアルバムです。 管弦が本格的ながらも、それをポップにまとめあげた作品です。 初めて聴いたのは(2024年)10月ごろで、あまりの衝撃にその頃からなんらかの形で感想を書きたいと思っていたのですが、まとまった時間がなく、気づいたら年も明けてしまっていました。 作品自体もサブスクが解禁されたのもあって当時よりも遥かに多くの人の言及を見かけるようになって出遅れてしまった(何に?)感覚です。

アルバムと楽曲について、作曲と編曲を手掛けたTalich Helfenさんが解説記事を書いています。 なので音楽的な部分についてはあんまり触れないです。

アルバムの情報

リンク

トラックリスト

再生時間: 25:52

  1. ハルモニア - HARMONIE
  2. コンコード - CONCORDIA
  3. ホライズン - HÓROS
  4. シャッター - SHUTTERS
  5. ノーチラス - NAUTILUS
  6. プシュケー - PSYKHĒ
  7. サテライト - SATELLITE
  8. エタニティ - ETERNITY

感想

アルバム全体を通して・・・

アルバム全体を通して多くの管楽器、弦楽器とともに様々なジャンルを横断していて、まさにクロスオーバー1というべき作品でしょう。 特に管楽器の多様さが印象的です。前述の記事からも確認できますが、木管金管ともにポップスのアルバムではなかなか見かけない楽器がたくさんいます。 中高吹奏楽部でクラリネットをやっていた身としては、E♭クラリネット、B♭クラリネット、バスクラリネットの3種いるのが嬉しいですね。 これらの管楽器によってアルバムに温もりが与えられている感じがします。逆にM6などではところどころのフレーズで緊張感をもたせる役割も担っています。 M2やM6は管楽器のアレンジにかなり吹奏楽曲のムードを感じたのですが、どうやらTalich Helfenさんは吹奏楽の編曲の経験があるみたいです。少し親近感(私は編曲したことないですが)。 管楽器のことはこの辺にしておきます。

構成とかに目を向けると、全体で25分ちょっとと短いです。 しかしながら、ジャンルが多種多様でアレンジにも一貫性があって、とても密度が高く、充実した25分になっています。 アルバム全体がひと繋がりになっていて、全体で一つの楽曲のようにも捉えられるかなと思います。 M7でM1のテーマが戻ってくるところとかはまさにそんな感じです。 最後にボサノヴァが入っていて、なんとなくFPMの1stのラストがボサノヴァだったのを思い出しました。

曲単位の話に移ります。個人的に3連符系のM6が超好きです。レゲエらしいんですけど、ベースのグルーヴとホーンセクションの噛み合いが気持ちいいです。 M7の華やかさもいいです。バリトンのソロかっこいい。木管かつ低音楽器が担当することで晴れ晴れしいけど上品さを失わないようになっている気がします。 E♭クラリネットはM2にいました。装飾系のフレーズが多くて難しそうです。 おそらく全曲めちゃくちゃ難しいんですが、歌も演奏も上手で驚きます。 同世代にこんなに素晴らしい人たちがいるなんて嬉しいことです。

おわりに

とても新鮮なアルバムでした。アカデミックな音楽を学んだ人が管弦とバンドでポップスをやるとすごいことになるんですね。 一方で、自分の過去の経験とマッチした馴染み深さもあって、お気に入りの一枚になりました。 吹奏楽を経験したことで楽しめる音楽の領域が広がったという自分の信念(?)と、吹奏楽部に入るという選択をしたことを肯定できたのかもしれません。

曲の話ばかりになってしまいました。最後に綿菓子かんろさんのチャンネルのリンクを貼っておきます。 歌ってみたも選曲、歌、アレンジすべて素晴らしいです。今後も期待ですね。個人的には、アルバム再現コンサートをやってほしいな〜とか思ってます。

脚注

  1. クロスオーバー (音楽) - Wikipedia ←この意味でのクロスオーバーでした。フュージョン系のイベントにCROSSOVER JAPANというのがありましたね。